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STEM教育とSTEAM教育の違い、子ども向けの最新IT教育で何を学べるかの具体例を紹介

STEM教育とSTEAM教育の違い、子ども向けの最新IT教育で何を学べるかの具体例を紹介

STEM教育とSTEAM教育の違い、子ども向けの最新IT教育で何を学べるかの具体例を紹介

子供向けIT教育

子を持つ親、子に教える立場の教師、どちらの立場であっても、子どもの教育を常に考える立場にあります。
現代社会で生き抜く力を考えたとき、英語と並んで学ばせたい技術にITスキルがあります。では、ITスキルとは一体何を指すのでしょうか。

その疑問に回答を与える一つの選択肢として、STEM教育・STEAM教育があります。
この記事では、最新の教育モデルであるSTEM教育、STEAM教育について簡単に説明していきます。

STEM教育、STEAM教育とは

アメリカで発案された教育モデルであるSTEM教育は、その後、新たな項目が追加されてSTEAM教育へと進化しました。
STEM教育のSTEMとは以下を指します。

  • Science(サイエンス=科学)
    主に自然科学に学びます。光の仕組みや電気の仕組み、熱、エネルギーなども含まれます。
  • Technology(テクノロジー=技術)
    電気回路や情報といった科学を利用した技術を学びます。
  • Engineering(エンジニアリング=工学)
    科学と技術を活かしたモノづくりを学びます。
  • Mathematics(マセマティクス=数学)
    数学です。純粋な計算だけでなく、データの取扱いや見せ方を学びます。

上記に以下の教養を加えたものがSTEAM教育です。

  • Art(アート=芸術、教養)
    日本では馴染みがない分野ですが、リベラルアーツ(一般教養)を学びます。

特にAで示すリベラルアーツの分野は、これからの子どもの教育に非常に重要な意味を持っていると考えられています。
5教科の「社会」で学ぶ歴史や政治、文化をより広義で捉え、一般的に社会の一員として持っておくべき知識の習得を目標としているためです。

教育アプローチと哲学

そもそもなぜSTEM教育やSTEAM教育といったモデルが開発されたか。
それは教育した内容を現実社会に反映するという目的があります。我々が教育を受ける際、主とする目的が受験勉強や学校における成績のためになりがちです。

果たしてそれは教育を受ける子どものためになるのか、という疑問から始まっています。
教育をより使えるもの、世の成り立ちや考え方を一貫させるものとしてSTEM教育、STEAM教育が開発されました。STEAM教育のリベラルアーツについては、さらに発展した「何を美しいと思うか」「何を良しとするか」を考える力を養う本質的な考え方も取り入れています。

カリキュラムと学習で得られるもの

STEM教育では、先に挙げた4つの主要な学問分野に焦点を当てたカリキュラムを提供します。
ここで、実際どういった内容のカリキュラムがあるか、それによってどういった力を養うかを紹介していきます。

1. 科学

  • 生物学、化学、物理学などの自然科学
  • 地球科学、環境科学、天文学
  • STEM探究心、実験力、自然界に対する理解力を養うことが目的

2. 技術

  • 科学的知識を実用的な目的、特に産業界に応用するプロセス
  • コンピューターサイエンスや情報テクノロジー
  • ITリテラシーやメディア研究
  • さまざまな技術を使いこなし、技術的解決策を生み出すスキルを身につけることが目的

3. 工学

  • 科学的・数学的原理を応用して、構造物、機械、システム、プロセスを設計、構築、分析する
  • 機械工学、電気工学、土木工学、航空宇宙工学
  • 問題解決能力、材料の理解、および設計の原理を学ぶことが目的

4. 数学

  • 基本的な算数から代数学、幾何学、微積分学、統計学などのより高度な分野
  • データ分析、論理的推論、問題解決を学ぶことが目的

さらに、STEM教育ではこれらの分野を統合することに重点を置いています。これらの教科を孤立した分野として扱うのではなく、プロジェクトベースの学習や実地体験を通じて、それらの相互関連性や実社会への応用を実証しようとするものです。
このアプローチは、学習者である子どもが現代社会の複雑な問題に対応できるよう学び、新たな可能性と創造性を養うために効果的だと考えられています。

IT教育の重要性

STEM教育・STEAM教育でとりわけ大切になってくるのがIT教育です。
最近ではスマートフォンやタブレットがある家庭も多く、小さな頃からスマートデバイスに慣れ親しんでいる子どもが増えました。しかし、みんながそれらを正しく使いこなせているかどうかは別問題です。

高いITリテラシーを養うことは、自分の身を守るだけでなく、将来的な生活力や仕事における活用に大きな影響を与えます。
正しくスマートな活用方法を身につけることで、自発的な学習を促し、自身に合った学習方法を身に着けさせることにも有効です。

早期IT教育のメリット

早い段階でIT教育を施すことには以下のようなメリットがあります。

  1. ITリテラシーと慣れ
    早期にIT教育に触れることで、子どもたちはITリテラシーを身につけることができます。テクノロジーへの慣れは、新たな技術への受入やすさにも直結します。
  2. 問題解決能力の向上
    IT教育では、複雑な問題の解決に携わることが多く、子どもたちの批判的思考や問題解決能力を高めることができます。
  3. 創造性の向上
    デジタルアートからプログラミングまで、子どもたちはさまざまな方法で自己表現することができ、クリエイティブな精神を育みます。
  4. 将来の仕事への備え
    ほぼすべての分野でテクノロジーの重要性が高まる中、早期IT教育は子どもたちが将来の幅広い職業に就くための準備ととなります。
  5. 学業成績の向上
    分析的思考、細部への注意、体系的なアプローチなど、IT教育を通じて学んだスキルは他の教科の成績向上にも貢献します。
  6. コミュニケーションスキルの向上
    多くのITプロジェクトはチームワークを伴うため、子どもたちは協力し、アイデアを共有し、対面でもデジタル上でも効果的にコミュニケーションできるようになります。
  7. 認知能力の発達
    パターン認識、記憶力、空間理解、論理的推論の発達に役立ちます。
  8. 変化への適応性
    新しい技術やデジタル環境の変化への適応力が高くなります。
  9. 生涯学習の基礎
    常に進化しているIT技術に接することで、継続的な学習と好奇心の基礎を植え付けることができます。

子供のIT教育の最新動向

最近では、インタラクティブで年齢に応じた設計の教育サービスが増え、学習を楽しみながら学べるようになっています。子ども向けのIT教育で使われる主なテクノロジーには、以下のようなものがあります。

  1. 教育用ソフトウェアとアプリケーション
    基本的な読み書きや計算のゲームから、より高度なプログラミングを学べるものまで多岐にわたります。
  2. プログラミングツール
    Scratchを代表とした子ども向けのプログラミング言語やツールが使われています。基本的なプログラミングの概念を教えるために、視覚的で簡単なインターフェイスを使用されています。
  3. ロボット工学キット
    LEGO Mindstormsのようなロボット工学キットは、ロボットを組み立ててプログラミングし、工学の実体験ができます。
  4. オンライン授業
    タブレットやコンピューターがあれば、家にいながらでも学べる学習環境が整います。
  5. 3Dプリンター
    デジタルで作成したデータの具現化は、より身近で高度な技術を実体験できます。
  6. 仮想現実と拡張現実(VR/AR)
    VRとARの技術は、バーチャルな遠足やインタラクティブな3Dモデルなど、没入型の学習体験を作り出すことができます。
  7. モノのインターネット(IoT)キット
    コネクテッドデバイスの概念や基本的なデータ分析を紹介し、日用品がインターネットとどのように相互作用できるかを理解できます。
  8. デジタルカメラと映像制作
    写真、映像制作、編集などのマルチメディアスキルを養い、創造的な体験が可能です。

子供のためのIT教育で重要なのは、単にテクノロジーの使い方を学ぶことではなく、それがどのように機能し、どのように利用できるかを理解することです。
このようなテクノロジーを教育に活用することで、ただの勉強ではなく、表現する楽しさを体感しながら学習につなげることができます。

教育の未来

我々大人が子どもだった頃と比べると、多くの技術が登場したことで子どもにとって選択肢が大きく増えています。
だからこそ、大人が正しく導きながら適切に学習環境を作り出すことが大切です。

すでにあるテクノロジーから新たな可能性を発掘するために、十分な考え方の基礎を学ばせ、より発展した未来を作り出すことをサポートしていくことこそ大人の責務といえます。