世界に激震が走ったChatGPTのニュースから早いもので半年以上経過しました。知る人ぞ知る、の状態からは1年が経過しました。
検索トレンドはだいぶ落ち着いてきたものの、毎月のように発表されるChatGPT製プロダクトや新機能のおかげで、このまま浸透していくことが予想されます。
2023年も11月に入り、AI界隈も怒涛の勢いで最新ニュースが更新されていきました。Google社のBardやMicrosoft社のBing、AdobeのFireflyなど、その他の企業も続々とAI市場に参入してきています。
そのような中で、OpenAI社のChatGPTのアップデートが業界を大きく揺るがしています。
エンドユーザー向けと開発者向けに分けて見てみましょう。
エンドユーザー向け
開発者向け
リリース内容を並べてみると、すごすぎて逆に何がすごいかわからなくなる現象が起きてしまいます。
より簡単に過去と現在を比較してみます。
アップデート前のChatGPT | アップデートされたChatGPT |
---|---|
チャットや画像生成ごとに切り替えて使う | まとめて組み合わせて使える |
特定の話題を追求するのにプロンプトを育てる | あらかじめ特定分野に特化できる |
開発側がある程度ロジックを組む | 独自エージェントがとても作りやすくなった |
AIの進化が止まらないことに警鐘を鳴らす研究者が多い理由も納得です。わずか1年足らずでここまで成長しているのです。
驚異的なアップデートが今後も続けられることが予想されます。
では、実際にどういったシチュエーションで業務活用できるのかについて紹介していきます。
現状、個人でChatGPTを導入している人も増えてきてはいますが、それでも使いこなすまでのハードルはなかなかに高いです。
企業で導入となるとさらにハードルが高くなります。ですが、デスクワークであれば多くの分野で人的作業を減らせる可能性を秘めているので業務転用をぜひご一考ください。
業務では、テキストや数字といったキーボードで打てる対象こそが、ChatGPTの業務活用できる対象だと考えてOKです。
以下に代表的な事例を並べてみます。
改めて考えると、企業の業務の大半に利用できるシーンがあることに気付かされます。どのような業種であろうと、活用できるシーンはいくつか見つかることでしょう。
ChatGPTのAdvanced Data Analysis(旧Code Interpreter)では、生成されたプログラミングを介して高度な分析を実行できます。
ChatGPTがファイルアップロードに対応したこともあり、単にテキストだけでなく、.xlsx
や.zip
、または音声や動画ファイルなども情報のソースとできます。
下記画像は、自治体オープンデータからダウンロードした福岡県の人口移動調査データをアップロードした例です。
ご覧の通り、やや分析結果として不親切な点(時系列や人口の単位が分かりづらい)はありますが、これをより適切なプロンプトや、整形データを利用することで精度が上がります。
このように、ChatGPTは統合的な分析環境として、とても優秀なアシスタントへと進化を始めています。整備されたデータを用意する手間こそありますが、それを実際に読み込む、という作業が代替できるのです。
これまで紹介してきた事例以外でも、多くのシーンで活用され、オリジナリティ溢れるGPTs(カスタムGPT)が制作されています。
もはや生活から仕事にまでしっかり浸透し始めてきたChatGPTは、その勢いを失うことはないでしょう。
今後、ChatGPTを始めとしたAIは社会インフラとして機能することが予想されています。
ただし、どれほどまでに精度が上がっても、システムを安易に信頼しきってしまうことは危険です。より便利で適切な使い方を模索するためにも、少しずつ業務活用して慣れておくことを強くおすすめします。