皆さん、こんにちは。IT人材育成と生成AI・DX推進に携わっている田邉です。
「うちの会社ではOJT(On-the-Job Training)で十分じゃないの?」「現場で覚えるのが一番早いんじゃない?」こんな声をよく耳にします。
確かに、実務を通じた学びは非常に重要ですが、近年のIT業界の急速な変化を考えると、OJTだけで本当に十分なのでしょうか?
特に2022年末のChatGPTの登場以降、エンジニアに求められるスキルセットは大きく変化しています。
生成AIの台頭により、コーディングの一部は自動化されつつありますが、それを使いこなすための深い理解と応用力は、依然として人間にしか持ち得ない能力です。
そこで今日は、なぜ体系的なIT教育が必要なのか、そしてそれがビジネスにもたらす価値について、具体例を交えながらご説明していきます。
まず最初に押さえておきたいのは、日本のIT人材不足は単なる「量」の問題だけではなく、「質」の問題でもあるということです。
経済産業省のDX人材不足に関する調査によれば、2030年には最大約79万人のIT人材が不足すると予測されています。
しかし、ただ人数を増やせば良いというわけではありません。質の高いIT人材、特にAIやクラウドなどの最新技術に精通した人材の需要が急増しているのです。
これは本当に深刻な問題です。なぜなら、質の高いIT人材がいないと、導入したシステムが十分に活用されず、高額な投資が無駄になってしまうリスクがあるからです。
皆さんの会社でも「高いお金を払ってシステムを導入したのに、使いこなせていない」という経験はありませんか?
では、なぜOJTだけでは限界があるのでしょうか?
OJTには以下のような課題があります。
例えば、あるクライアント企業では、ベテランエンジニアが退職した後、そのエンジニアしか知らないシステムの運用方法が社内から失われるという事態が発生しました。
これはまさにOJTの弱点が露呈した例です。
体系的な教育があれば、個人の経験や知識を組織の資産として形式化でき、こうしたリスクを大幅に低減できます
。「いや、でも時間とコストがかかりすぎる」と思われるかもしれませんが、長期的に見れば、むしろ効率的な投資になるのです。
最近、特に注目すべき変化が「AIネイティブエンジニア」の台頭です。
AIネイティブエンジニアとは、AIツールを使いこなしながら、より複雑な問題解決に取り組めるエンジニアのことを指します。
ChatGPTやGitHub Copilotなどの生成AIツールが普及した現在、基本的なコーディングはAIが代行できるようになりました。
しかし、AIが生成したコードの品質評価や、複雑なシステム設計など、より高度な判断が求められる領域では、依然として人間の能力が不可欠です。
たとえば、私が関わった研修では、AIを活用することで従来3日かかっていた機能実装がわずか半日で完了するようになったケースもありました。
しかし、そのためには単にAIを使うスキルだけでなく、AIの出力を適切に評価し改善できる深い専門知識が必要なのです。
「体系的教育は理想的だけど、忙しい現場でどう実現すればいいの?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実際、時間的・コスト的な制約は常に存在します。
そこで効果的なのが、理論と実践のバランスを取りながら、段階的に知識とスキルを積み上げていくアプローチです。
例えば、弊社では「コンピュータサイエンス基礎」「プロンプトエンジニアリング実践」「AIツール活用法」「PM/PdM養成」など、モジュール型の研修プログラムを提供しており、企業のニーズに合わせてカスタマイズすることができます。
これが本当に効果的なのです!
ある顧客企業では、週に1日の「学習デー」を設定し、3ヶ月間でAI活用の基礎から応用までを学んだ結果、新規プロジェクトの立ち上げ速度が2倍になったという成果が出ています。
OJTは確かに重要な学習方法ですが、急速に変化するIT業界において、それだけでは不十分です。
体系的な教育を組み合わせることで、以下のようなビジネス価値が生まれます。
「教育」を単なるコストではなく、将来への「投資」として捉え直すことが、これからのIT企業には不可欠ではないでしょうか。
当社では、御社の状況に合わせた最適なIT人材育成プログラムをご提案しています。AIネイティブ時代に対応したエンジニア育成についてお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
一緒に、次世代のIT人材育成の道筋を考えていきましょう!
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